登記の欠缺~背信的悪意者
不動産(土地、建物)を売買等により取得した場合、必ず登記をしなければなりません。何故なら、売主が第三者にその不動産を売却して登記名義を第三者にしてしまったら、第三者に対抗できなくなるからです(民法177条)。
民法177条にいう第三者については、一般的にはその善意(知らないこと)、悪意(知っていること)を問われませんが、実体上物権変動があった事実を知る者において、同物権変動についての登記の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情がある場合には、登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有しないものであり、このような背信的悪意者は、民法177条にいう第三者に当たらないものと解されています(最高裁昭和40年12月21日判決など)。
このように、登記がなくとも背信的悪意者の理論により保護されることもあり得ますが、保護されるか否かは事案によって異なりますので、不動産を取得した場合は直ちに登記をするにようにしてください。