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農地法の目的は?

農地法は、昭和27年に成立した後、幾度の改正を経ており、直近では平成29年にも改正されています。

第二次世界大戦後、農地改革が行われて自作農主義が確立されました。当初の農地法は農地改革の成果を守り、寄生地主制の復活を防止することを大きな目的としていました。そのため、農地法第1条では「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、その権利を保護し、その他土地の農業上の利用関係を調整し、もって、耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ることを目的とする」と規定されていました。

その後、時代の流れによる社会構造の変化に伴い、農業構造を改善し近代的で大規模な農業を展開する必要性が主張され、昭和45年の大改正により、従来の所有権中心主義である自作農主義から、借地的手法による農業、すなわち所有と経営が分離した農業を目指す方向へと転換されました。

平成30年8月時点の農地法1条(目的)では「この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もつて国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。」と規定されています。

すなわち、「耕作者自らによる農地の所有」とともに「農地を効率的に利用する耕作者」も保護し、最終的には「国民に対する食料の安定供給の確保に資すること」を目的としているのです。

この記事は弁護士が監修しています。

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